同じじゃないの!?無線LAN とWi-Fiの違いとは

2019年12月16日

無線LANと Wi-Fiは、どちらも無線でインターネットができる環境を提供するものであるため、「どっちも同じなのでは……」と思われる方がたくさんいます。しかし、実際には無線LANと Wi-Fiは、違う意味を持つものなのです。そこで今回は、多くの方が混同しがちな、無線LANと Wi-Fiの違いについて説明したいと思います。

 

そもそも無線LANとはなんなのか?

 

最初に、無線LANの概要から説明していきます。

 

無線LANとは

まず、「無線」とは、電波を利用した通信技術のことです。いっぽう、「LAN」とは、会社などの施設内における通信デバイス間をつなぐ通信ネットワークのことになります。つまり、「無線LAN」とは、LANをケーブルではなく電波でつなぐ技術のことで、ケーブルがなくてもインターネットに接続できる仕組みといえるでしょう。そのため、無線LANに関しても、無線関連の規格が電波法によって規定されてる関係上、こちらに準拠する必要があるというわけです。

 

無線LANを利用する場合には、光回線などのブロードバンドモデムに接続するための親機である無線LANルーターと、ここから発信される電波をキャッチするための子機であるデバイス(スマホやPCなど)が必要になります。スマホやタブレット、PCはもちろん、最近ではデジカメやプリンターなど多くのデバイスが無線LANに対応しているため、ケーブルにつながなくてもインターネットに接続することが可能です。

 

無線LANの種類

無線LANと一口に言っても、たくさんの種類があります。たとえば、「Bluetooth」や超高域無線である「Ultra Wideband」などの他に、「Wi-Fi」も無線LANの1種です。それぞれ規格が異なり、偏重方法や周波数帯域、チャンネル幅などが違っています。つまり、無線LANもWi-Fiも、電波を使った通信技術という点では、ほぼ同じです。おおまかに言えば、「TVやラジオといった無線通信のひとつが無線LAN」であり、さらに「無線LANのひとつがWi-Fi」といえるでしょう。

 

ではWi-Fiとは何なのか?

 

次は、Wi-Fiについて説明します。

 

Wi-Fiとは

Wi-Fiとは、「Wi-Fi Alliance」という団体によって認証された、無線LAN認定規格の一種です。Wi-Fiは電波を使ってワイヤレス(無線)でデータ通信をするための規格で、具体的に言うと、無線LANに対応したデバイスのうち標準規格「IEEE802.11」を用いた相互接続試験で接続保証を認定した製品のみ、「Wi-Fi」のロゴを付けた製品として出荷されます。

 

Wi-Fiには2.4GHz帯と5GHz帯の周波数帯のほか、60GHzの周波数帯も含め3種類が存在し、それぞれ通信速度や特性が違います。

 

・IEEE802.11b

周波数帯域:2.4GHz

最大通信速度:11Mbps

 

・IEEE 802.11a

周波数帯域:5GHz

最大通信速度:54Mbps

 

・IEEE802.11g

周波数帯域:2.4GHz

最大通信速度:54Mbps

 

・IEEE802.11n

周波数帯域:2.4GHz、5GHz

最大通信速度:600Mbps

 

・IEEE802.11ac

周波数帯域:5GHz

最大通信速度:6.9Gbps

・IEEE802.11ad

周波数帯域:60GHz

最大通信速度:6.7Gbps

 

なお、それぞれの周波数帯域の特徴は、

 

・2.4GHz帯:通信距離は長く障害物にも強いが、電波干渉を受けやすい

・5GHz帯:電波干渉の影響は受けにくいが、障害物に弱い

・60GHz帯:対応デバイスが少なく狭い範囲に限定されるが、安定したGBクラスの高速通信が可能。

 

Wi-Fi Allianceについて

現在では、スマホやタブレット、PC、プリンターといったデバイスの多くがWi-Fi対応のデバイスになっているため、特別な設定を行わなくても簡単に無線でインターネットへ接続できていますが、Wi-Fiという規格ができる以前はそうではありませんでした。そもそも無線LANに対応したデバイスが高価だったことや、有線LANに比べ接続状況がよくなかったという問題があったことに加え、各メーカーが独自の無線LAN規格を採用したデバイスをリリースしていたため、同じメーカーの親機と子機でなければ接続できないというもっと大きな問題があったのです。そのため、無線LANというシステム自体は1990年代から登場していましたが、当初はなかなか普及しませんでした。

 

そこで、こうした問題を解決するために、世界中のメーカーによって、無線LAN対応デバイスの普及を促進する現在のWi-Fi Allianceが設立されました。それと同時に、無線LAN接続の国際標準規格として「IEEE 802.11」が定められたのです。その後、現Wi-Fi Allianceは、異なるメーカーのデバイス同士が無線LANに接続できるかテストすることで、合格した製品に対して「Wi-Fi」のロゴマークを与えることになりました。こうして、我々はWi-Fiのロゴマークが付いた商品を選べば、無線LANに接続できるデバイスが安心して購入できるようになったのです。

 

無線LANとWi-Fiは何が違うのか?

 

ここまでの説明で「結局、無線LANとWi-Fiって何が違うの?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。Wi-Fi Allianceの活動の結果、現在では無線LANも含めWi-Fiと呼ばれることのほうが多いのが現状です。しかし、前述した通り、無線LANの一種に、Wi-Fiがあるとお考え下さい。

 

Wi-Fiの一般的な普及が原因

 

今回は、無線LANと Wi-Fiの違いについて説明しました。Wi-Fiがあまりにも一般に普及したため、無線通信はすべてWi-Fiという言葉で片付けられている感がありますが、どちらかというと本来は無線LANでひとくくりにするべきだったようです。しかしながら、本来の意味がどうのこうのというよりは、多くの人が誤解しないのであれば、それでよいのかもしれませんね。