Wi-Fiの電波は人の健康に影響を与えるのか?

2019年12月18日

今や、我々の生活に欠かせないWi-Fi。それだけに、目には見えない電波が街中や会社はもちろん、家の中にもたくさん飛び交っているのが現状です。しかし、そうなると気になってくるのは、「Wi-Fiの電波って人体に何か影響はないのか?」という点でしょう。そこで今回は、Wi-Fiの電波が人の健康に影響を与えるのかどうか解説します。

 

総務省の見解

 

まずは、電波の安全性に関する数々の研究を行っている総務省の見解をみてみましょう。

 

多くの実験により電波の安全を確認

HP(https://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/ele/)によると、総務省は安全・安心な電波利用環境の整備に向け、さまざまな施策を展開しているとのことです。総務省によると、現在我々の社会における通信や放送などに使われている電波は、光などと同じように、物質の原子を電離させるようなエネルギーを持たない電磁波とされています。もちろん、X線やγ線のような強いエネルギーを持つ電磁波もありますが、非電離放射線である電波とは大きく性質が異なっているのです。

 

また、電波が人体に与える影響に関する研究は、日本のみならず世界中で50年以上行われ続けています。そして、これらの膨大な実験結果を元に、安全性を考慮した電波の基準として「電波防護指針」が策定されているのです。なお、電波防護指針の基準値は、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)や世界保健機関(WHO)などが策定しているものと同等で、世界中で活用されています。したがって、この基準さえ満たしていれば電波の人体への安全性が確保されるというのが、国際的な考え方とされているのです。

 

局所SAR値による判定

「局所SAR値」とは、総務省が設定した「身体組織1gに対して、どの程度の電波が吸収されるか」という電波基準の設定値です。なお、健康に悪影響を与えないとされるWi-Fiの電波は、局所SAR値が「2W/kg(ワット毎キログラム)」までと定められています。そして、現在広く使われているWiMAX2+の電波は、局所SAR値が「0.2〜0.4W/kg」です。つまり、総務省によって規定されている局所SAR値よりも低い結果といえるため、WiMAX2+などのWi-Fiデバイス人体にとって非常に安全といえるでしょう。さらに、基準として定められている「2W/kg」は身体接近した状態の基準値となっているため、実際にWi-Fiデバイスを身体に密着させて使うケースは少ないので、電波による影響はさらに低くなるのです。

 

Wi-Fi アライアンスの見解

 

「Wi-Fiアライアンス(Wi-Fi Alliance))とは、Wi-Fiデバイスに関する世界中の企業が会員として参加している世界的な非営利団体です。Wi-Fi普及に関する、さまざまな取り組みを行っています。Wi-Fiアライアンスも、Wi-Fiの電波による人体への影響についてその見(https://www.wi-fi.org/ja/system/files/Wi-Fi_and_Health_Brochure_2015_Japanese.pdf)を発表しています。それによると、前述した総務省の見解とほぼ一致している状況です。

 

Wi-Fiは健康に影響を与えるのか         

 

総務省やWi-Fiアライアンスの見解によると、Wi-Fiが健康に悪影響を与える可能性は低いといえそうです。しかし、妊婦や医療機器を使っている人、病院などへの影響はないのでしょうか。

 

妊婦や医療機器への影響はあるのか

総務省の発表によると、妊婦の方も一般の方と同様、Wi-Fiデバイスを身体に密着させて使わない限りは、Wi-Fiの電波の影響を受ける可能性は非常に低いそうです。いっぽう、ペースメーカーなどの医療機器を使用されている方が、Wi-Fiを使用する場も、Wi-Fiデバイスを身体に密着させない限りは、安全に使えるという見解になっています。現在、Wi-Fiの電波は、どこにいても回避不可能といえるほど、たくさん飛び交っている状態です。そのため、あまりにも電波の影響を気にし過ぎると、逆にそのほうがご自身の健康や赤ちゃんに悪影響を与える可能性もありますので、あまり敏感になり過ぎないようにしましょう。

 

病院内でWi-Fiを使っても大丈夫なのか

現在でも多くの病院で、医療機器に影響を与える可能性があるということで、スマホや携帯の使用が禁止されています。そのため、以前はWiMAX2+といったWi-Fiデバイスも、電波による悪影響があると考えられており、一部の病院においてはWi-Fiデバイスの使用も禁じられていたようです。しかし、病院の実務においてもWi-Fiデバイスが利用できないのは不便という意見も多くでたため、現在では利用できる病院も増えはじめています。

 

いっぽう、最近の研究において、Wi-Fiデバイスを医療機器に密着させないか、強力な電波を出さない限りは、ほぼ影響がないという結果だったそうです。実際に、入院中にスマホやタブレットなどでネットを使っていたという方もたくさんいらっしゃいますので、医療機器に密着させない限りは、病院内でWi-Fiデバイスを利用しても大きな問題はないといえるでしょう。とはいえ、万が一のことがあってはいけません。Wi-Fiデバイスを利用する前には、病院に必ず使用してよいか確認することを忘れないようにしましょう。

 

現状Wi-Fiの電波が健康に与える影響はなさそう

 

今回は、Wi-Fiの電波は人の健康に影響を与えるのかどうか、総務省やWi-Fiアライアンスの見解などを参考にみてきました。電波による健康への影響がゼロとはいえないものの、ほぼ影響がなさそうだということがいえるのではないでしょうか。前述した通り、現在の社会でWi-Fiの電波から完全に回避することは不可能です。そのため、多くの機関がその安全性を確かめるために、日々研究や調査を行っています。今後の動向は気になるところですが、今のところそれほど神経質になる問題ではなさそうです。