IoT時代の通信規格ZigBeeとは/Wi-Fiとの違いは?

2020年1月30日

最近、ようやく「IoT」というワードが普通に聞かれるようになってきました。IoTとは簡単に言うと、「モノとインターネットがつながる」ことだと言えるでしょう。ところで、そのIoT機器を制御するための通信規格「ZigBee」(ジグビー)をご存知でしょうか?インターネットにつながる規格ということで、「Wi-FiやBluetoothじゃダメなの?」と思われる方もいるかもしれません。そこで今回は、IoT機器の通信規格ZigBeeがどんなものか紹介しつつWi-FiやBluetoothとの違いなどについても紹介したいと思います。

 

ZigBeeの概要

 

まず、ZigBeeがどんなものなのか、簡単に説明します。

 

ZigBeeとは

「ZigBee」とは、「ZigBee Alliance」(ジグビー アライアンス)と呼ばれる団体によって、2004年に策定された短距離における無線LAN規格の一種です。ZigBeeの名前の由来は、ミツバチ(Bee)がジグザグ(Zig)に動くという意味で、ネットワーク上のデバイス同士が相互連携するという意味を表しています。無線LANの規格としては「Wi-Fi」 や「Bluetooth」が一般的ですが、IoTデバイスを中心にZigBeeもたくさんのデバイスに採用が進んでいます。

 

ZigBeeの規格概要

ZigBeeの基本的な規格は「IEEE 802.15.4」です。通信速度は20k~250kbps程度、通信距離に関しては30m程度とされており、消費電力が低い点がメリットと言えます。また、ZigBeeが通信をはじめる際には毎回スリープの解除が行われ、通信が終了すると再びスリープ状態になるという仕様です。なお、1つのZigBeeネットワークにおける接続可能なデバイス数は最大で65,535(ルーターは除く)になります。このように、ZigBeeはIoT時代において、複数のデバイスを短距離で高速に、かつ省電力で制御したいというニーズを背景にその開発が進んだのです。

 

ZigBeeとWi-FiやBluetoothとの違い

 

次に、同じ無線LAN規格であるWi-FiやBluetoothとZigBeeの違いについて説明します。

 

通信速度

Wi-FiとBluetoothの通信速度は、以下の通りです。

 

・Wi-Fi 11g、11a:54Mbps

11n:300Mbps

11ac:6.9Gbps

・Bluetooth:最大24Mbps

・ZigBee:20k~250kbps程度

 

やはり通信速度はWi-Fiが最速で、ZigBeeはそれほど早くはありません。したがって、ZigBeeは画像や動画といった大容量データの通信には不適切です。

 

通信距離

Wi-FiとBluetoothにおける電波の通信距離は、

 

・Wi-Fi:50~100m程度が一般的(数100m程度届くものもある)

・Bluetooth:10 m程度が一般的(100m程度届くものもある)

・ZigBee:30m程度

 

となっています。ZigBeeはあくまでも近距離の通信に特化した通信規格であるため、通信距離はそれほど広くはありません。

 

消費電力

消費電力に関しては、

 

Wi-Fi > Bluetooth > ZigBee

 

となっており、ZigBeeは消費電力が少ないと言われているBluetoothよりも消費電力が低くなっています。そして、この点がZigBeeの最大メリットの1つと言えるでしょう。なお、ZigBeeの消費電力が少ない理由は、スリープ状態時の待機電力がBluetoothよりも低いからです。

 

同時接続可能なデバイス数

同時接続可能なデバイス数は

 

・Wi-Fi:数台~数100台(ルーターのスペックによる)

・Bluetooth:1台~最大7台

・ZigBee:最大65,535台

 

このように、ZigBeeは複数デバイスの同時接続数が圧倒的に多い点がメリットです。IoTを駆使したスマートホームにおいては、数多くの家電や電子機器を制御する必要があるため、ZigBeeのような通信規格の開発が進んだのでしょう。

 

ZigBeeの活用法

 

最後に、ZigBeeが具体的にどんなデバイスに採用されているのか、その活用法とともに紹介します。

 

各種IoT家電

ZigBeeに対応したデバイスの代表と言えば、やはりIoT家電と呼ばれるデバイスでしょう。たとえば、スマートスピーカーやスマートロック、スマート電球などが挙げられます。インターネットを経由して、デバイスのコントロールが可能になるため、スマホ1つですべてのIoT家電のコントロールすることができますので、非常に便利です。もちろん、外出先からもコントールできます。

 

スマートリモコン

現在、TVやエアコンなどのリモコンの多くに、赤外線が採用されています。しかし、赤外線は周囲に障害物があると電波がうまく届かないことがあり、うまくデバイスが操作できないことが問題です。そこで、ZigBeeを採用したスマートリモコンであれば、障害物などがあって電波が届きづらい場所でも、安定したデバイスの操作が可能になります。たとえば、就寝時にリビングから寝室のエアコンをオンにするといったことも可能になりますので、非常に快適な生活をすることが可能です。

 

地震発生時の構造物確認

建築物の各フロアにZigBeeのセンサーを設置することで、地震の発生を検知して破損状況のデータを収集するシステムを作る取り組みなども行われています。また、ZigBeeであれば、フロアごとの揺れの違いなどを判別することも可能になるでしょう。使用しない時はセンサーの起動を抑え、地震が発生した時だけセンサーを起動させることで省電力化にもつながるため、今後の社会実装に向け開発が進んでいます。

 

日本での普及はまだまだこれから

 

今回は、Wi-FiやBluetoothに続く、新たな通信規格であるZigBeeの紹介をしました。ZigBeeは今後発展していくスマートホームを中心としたIoT化する社会において、その存在感をさらに強めていくと予想されます。しかし、日本ではIoTの普及自体がまだそれほど進んでいないため、家電量販店などに行ってもZigBee対応デバイスはそれほど販売されていないというのが現状です。したがって、日本でZigBeeという言葉が普通に聞かれるようになるまでには、もうしばらく時間がかかるのかもしれません。