モバイルWi-Fiやスマホにもクーリングオフが適応!?

2019年8月26日

一度購入したものを返品できるクーリングオフ制度。特に、大きな買い物をしてしばらくした後、冷静になった人が利用することが多い制度といえるでしょう。ところで、モバイルWi-Fiやスマホにもクーリングオフ制度に近いものがあることをご存知でしょうか?最近のスマホ端末は、ハイスペックなものが多い反面、価格も10万円を越えるなど、安易に購入すると後々後悔するケースもあるものです。よって、クーリングオフ制度が利用できるのは耳よりな情報といえるかもしれませんね。そこで今回は、モバイルWi-Fiやスマホのクーリングオフ制度について解説します。

 

クーリングオフとは

 

「クーリングオフ」とは英語で「Cooling Off」と書き、契約後の消費者に頭を冷やして考え直す時間を与え、一定期間内において無条件で契約解除できる権利を与えるという制度です。通常であれば、一度契約が成立すれば覆すことはできないのですが、消費者の中には購入時に冷静な判断ができない人も多いため、クーリングオフ制度が整備されていきました。しかし、多くの契約でクーリングオフが適応されたにも関わらず、携帯電話やモバイルWi-Fiといった電気通信サービスには、これまでクーリングオフが適応されることはなかったのです。

 

モバイルWi-Fiでクーリングオフが検討されはじめた背景

では、対象外だった電気通信サービスにクーリングオフが検討されはじめた背景について説明します。

 

なぜクーリングオフ適用外だったのか

電気通信サービスがクーリングオフ適用外だった理由は、特定商取引法という法律において、「消費者の利益を保護すると認められるものはクーリングオフの適用除外にする」という規約があったからです。さらに、電気通信事業法という法律においても、「電気通信事業は国民の利便の確保を図ることが目的」と規定されていました。したがって、電気通信サービスはクーリングオフの適応外になることが、法律によって守られる状況だったのです。

 

消費者のクレームや相談が増えたことがきっかけに

ニュースなどでも度々話題になったように、携帯電話の販売方法に不満を持つ消費者からのクレームや相談が年々増加していきました。携帯電話がガラケーからスマホに変化するなど技術革新の急速な変化に伴い、各電気通信事業者のサービスや販売方法も多様化し複雑になっていったのです。その結果、2008年頃から総務省において、電気通信サービスのクーリングオフについての検討がスタートしました。

 

しかし、通信業界からの反発も大きかったためすぐに制度化には至らず、2016年(平成28年)5月にようやく「電気通信事業法等の一部を改正する法律」が施行され、スマホの契約における実質上のクーリングオフ制度といえる「初期契約解除制度」および「確認措置」の実施がスタートしました。また、この制度は、スマホ以外の光回線やインターネットの固定回線も対象です。さらに、初期契約解除制度の導入と並行し、複雑なサービス契約形態に関する電気通信事業者への説明義務も強化されることになりました。

 

モバイルWi-Fiやスマホのクーリングオフとは

 

通信サービスのクーリングオフ制度にあたる「初期契約解除制度」と「確認措置」について説明します。

 

初期契約解除制度

「初期契約解除制度」とは、「利用開始から8日以内の契約を違約金なしでキャンセルできる」制度になります。ただし、初期契約解除制度でクーリングオフできるのは、あくまでも通信回線契約のみとなるため、一緒に購入したスマホやWi-Fiルーターは返品することができません。したがって、初期契約解除制度が施行された当時は、SIMフリー端末がなかったため、クーリングオフしても使えない端末だけが消費者の元に残る結果となり、その端末代の支払いもそのまま残る状態となっていました。そのため、消費者からのクレームが増加し、約半年後には各電気通信事業者は、スマホ端末のSIMフリー化に対応しはじめたのです。

 

確認措置

「確認措置」とは、初期契約解除制度において確認措置の認定を受けたサービスにのみ適応される制度です。「利用開始から8日以内の契約を違約金なしでキャンセルできる」という点については、初期契約解除制度と同様ですが、確認措置では端末のキャンセルも対象となっています。したがって、スマホの最新機種など、高額な端末が主な対象になっている制度といえるでしょう。

 

ただし、確認措置を適応するためには、

 

・確認措置では電波状況が不十分な場合

・契約の説明が不十分なまま契約した場合

 

という2つの条件を満たすことが必須です。

 

スマホの料金に関する法改正も目前

 

今回は、モバイルWi-Fiやスマホのクーリングオフについて紹介しました。まだまだ、完全なクーリングオフ制度とは言い難い部分もありますが、必要に応じて利用できることを覚えておくとよいでしょう。また、現在総務省を中心にスマホの料金プランを改正する法改正を前向きに検討しているということで、問題の根本解決に至る可能性も出てきているため、今後の動きに期待したいところです。