Wi-Fi 6?「IEEE 802.11ax」?Wi-Fiの次世代規格が登場!

2019年8月30日

「5G」というワードを聞いたことがある人は多いと思いますが、「Wi-Fi 6」というワードがあることを知っていますか?Wi-Fi 6とは、来るべき5G時代に最適化したWi-Fiの新規格で、現在標準化に向けた調整が進められています。恐らく、2020年頃には、Wi-Fi 6に対応したルーターやスマホ、PCなども発売され、その全容が明らかになってくるでしょう。そこで今回は、Wi-Fi 6がどのようなものなのか、予習がてら説明したいと思います。

 

Wi-Fi6(IEEE 802.11ax)とはどんなものなのか

 

まず、Wi-Fi 6とは、そもそも何なのか説明します。

 

Wi-Fi6とは?

「Wi-Fi 6」とは、正式名称が「IEEE 802.11ax」と呼ばれるWi-Fiの次世代規格になります。実は、Wi-Fiの規格に関しては、これまで、

 

・2009年      :IEEE 802.11n

・2014年      :IEEE 802.11ac

・2020年(予定):IEEE 802.11ax

 

といったように、「IEEE 802.11●●」という非常に呼びづらいネーミングでした。しかし、今回新しいWi-Fi規格を策定している「Wi-Fiアライアンス」から名称を変更するというアナウンスが出されたため、過去の規格も含め以下のように変更されることになりました。

 

・2009年      :IEEE 802.11n →Wi-Fi 4

・2014年      :IEEE 802.11ac →Wi-Fi 5

・2020年(予定):IEEE 802.11ax →Wi-Fi 6

 

ちなみに、今回で6代目の規格ということで、「Wi-Fi 6」と呼ばれるようになったそうです。

 

Wi-Fi6のスペック

Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)の基本スペックは、

 

・使用電波帯:2.4GHz帯/5GHz帯

・最大通信速度(理論値):9.6Gbps

・最大実効スループット:1Gbps~?

・最大同時接続数:MU-MIMO(「IEEE 802.11ac」時に採用されたマルチユーザー多入力・多出力による通信高速化技術)使用時で8台となっています。

 

また、Wi-Fiアライアンスから発表されているWi-Fi6の特徴は、次の通りです。(Wi-Fi アライアンスHP(https://www.wi-fi.org/ja/discover-wi-fi/wi-fi-certified-6)より引用)

 

・高いデータレート

・容量の向上

・数多くのコネクテッド デバイスが存在する環境での優れたパフォーマンス

・省エネ性の向上

 

なお、機能としては、以下のようなものが実装される予定ということです。

 

・アップリンク/ダウンリンクOFDMA(直交周波数分割多元接続)によって、高い要件が求められる環境における効率の向上と低レイテンシを実現

・MU-MIMOで一度に大量のデータを伝送できるため、アクセスポイントは数多くのデバイスを同時にサポートすることが可能

・送信ビームフォーミングによる指定範囲内の高いデータレートが、ネットワーク容量の向上を実現

・1024-QAM(直角位相振幅変調)モードによって、帯域幅集中型の新しいユースケースでのスループット向上を実現

・ターゲット ウェイク タイム(TWT)により、IoTクライアントを含むWi-Fiデバイスのバッテリー寿命が大幅に向上

 

ちなみに、参考までにWi-Fi 4とWi-Fi 5のスペックも記述しておきます。

 

<Wi-Fi 4:IEEE 802.11n>

・使用電波帯:2.4GHz帯/5GHz帯

・最大通信速度(理論値):600Mbps

・最大実効スループット:約150Mbps

・最大同時接続数:交互接続のみ

 

<Wi-Fi 5:IEEE 802.11ac>

・使用電波帯:5GHz帯

・最大通信速度(理論値):6.93Gbps

・最大実効スループット:約800Mbps

・最大同時接続数:MU-MIMO使用時で4台

 

5G時代の新たなWi-Fi

現在、2020年を目指し日本でも整備が進んでいる5Gでは、最大20Gbpsという高速通信が実現します。しかし、現在のWi-Fiでは、せいぜい数百Mbps程度のデータ量が関の山となっているため、5Gを前提に作られたサービスを使おうとしても、スペックが追い付かない可能性も高いでしょう。

 

いっぽう、家庭のブロードバンド回線についても、最大1Gbps(光回線の場合)が主流となっているため、やはり5G前提で提供されるサービスには十分に対応できません。さらに、Wi-Fiになると数百Mbpsしか出ないので、まったく話にならない状況といえるでしょう。

 

このような状況のため、来るべき5G時代にマッチしたWi-Fiの新規格としてWi-Fi 6が整備される運びになったのです。前述した通り、Wi-Fi 6の最大通信速度は9.6Gbpsということで、G単位のデータ通信が可能となるため、5G前提のサービスにも十分対応できるスペックとなっています。

 

今後の見通し

 

Wi-Fi 6のスペックを理解したところで、肝心の対応デバイスがどうなっているのか紹介します。

 

Wi-Fi6対応ルーター

実は、Wi-Fi 6対応ルーターは、すでに発売されているものもあります。ただし、対応するデバイスがリリースされていないため、現状では十分に機能を発揮することはできません。

ただし、Wi-Fi 5の環境下で利用することも可能ということで、通信速度も速くなるそうです。

 

Wi-Fi6対応スマホ・PC

2019年秋以降の、「iPhone」や「Galaxy」といったハイスペックスマホにはWi-Fi 6に対応したモデルが出る可能性が高いでしょう。また、PCにおいても、インテルも最新のCoreプロセッサーでWi-Fi 6に対応することをリリースしていますので、2019年秋以降の最新機種には対応したモデルが発売されると思われます。

 

2020年には体験できそう

 

今回紹介した「Wi-Fi 6」は、現在は正式規格策定前のドラフト段階となっています。しかし、早ければ2020年には、最新の通信技術として実用化されはじめるものと予測されます。2020年にはいよいよ5Gもリリースされるので、自宅にWi-Fi 6のデバイスを導入する人も出はじめるでしょう。Wi-Fi 6の登場によってどんな世界が体感できるのか、今から楽しみですね。